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スタッフブログ

2015年01月26日

あいたたたの話

本の読了ペースがとうとう月4冊を超えてしまいました。

長尾 惇平です。

妻からしたら「ビール買うよりまし」という事です。

 

という事であいたたたの話です。

24日、25日は大阪門真のなみはやドームで

「新春マスターズ」が開催されました。

私も25日に50mクロールに出場しました。

ベスト更新に息巻いていましたが…

 

―……「男子50m自由形50組の召集を始めまーす」…

…ガヤガヤ…―…「俺何組だっけ?…」というその他参加者の会話…

「男子50m自由形。第45組のレースを始めます」という落ち着いた声の会場アナウンス…

ピッピッピッピ…ピフィ~よ~い… ―45組のレースには確か松尾君が出ている。

 

私の内心…「隣の人速そう…」

―…ドクンッ…ドクンッ―自分の心臓の音が全身の皮膚を使って聞こえてくる…

 

プールサイドには応援に来て頂いているお客様が手を振っている。

緊張が伝わらないように明るく手を振りかえす。

…心臓の脈動が早くなってスイムキャップがきつく感じ始めたころ。

―…「それでは50組の方~!前に進んでくださ~い!」…とうとう自分の番だ。

「男子50m自由形。50組のレースを始めます」…

「4コース!」…「長尾がんばれよ!」プールサイドから応援の声が聞こえる。

高校の先輩も見ているようだ。しかし、その方向は見れない。

 

「パンッ!パンッ!」体を手のひらで叩き、集中力を高める。

その頃には心臓の音は通常通りに戻りはじめ、視界はプールの水色だけを捕らえていた。

 

―…ピッピッピッピ…ピフィ~…飛び込み台に上がる事を告げるホイッスルの音が聞こえ、

飛び込み台に足をそろえる。

「よ~い…」―――……「ピッ!」…「ッセェェエイ!」、飛び込み台から足が離れた瞬間に会場の歓声が聞こえる。

その瞬間、身体を水が包み込み、カワセミの様に水面を切り裂いたことがわかる。

お腹から太ももにかけて電気信号を送り込み、思いつく限り最高速度で足を上下させる。

水面を背中で感じた瞬間、指先から水を絡ませ腕を廻す。

呼吸はしないと決めていたので。頭の中は冷静に最高速度で足を上下させる事と

なるべく遠くの水を指先に絡める事だけを考えていた。

壁が近づく…「ターンをしなければ!」…頭をお腹の下に潜らせ、壁に足を…

 

壁に足を…足がつかない!

「終わった…」と考えるまで、およそ0.3秒。

つま先だけで壁を蹴りつけ、折り返し…

思考が0.3秒停止した事により冷静さを欠く…

「苦しい…」呼吸を止めて25m泳ぎ、ターンを失敗した事で心肺機能は停止する直前を迎えていた。

…「ブファッ!」折り返し5mで顔が上がる。横向きに上げた顔から応援に来たお客様と松尾君の顔が見える…

しかし、レースは続く。

「最後まで!」と思い動く限り、全身に電気信号を送り込む。

黄色の中央に黒い線…タッチ板が見える。タッチ。タイムは?

 

「4コース 26.80」

 

ベストタイムから1秒5も遅い…

この時に最初に出てきた言葉が…

 

あいたたた…

 

という事であいたたたの話でした。

では。

長尾 惇平です。

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